校長のつぶやき

温かい言葉に助けられて

 10月中旬に風邪を引き、よく寝て栄養をしっかりとっていればそのうち治るだろうと、軽く思っていました。しかし、症状がだんだん悪化し、咳が止まらず、先週には寝ている間も咳が出るようになり、満足に寝られない状態となってしまいました。
 今週の月曜日も、体調はあまり回復せず、朝からぐったりとした状態で出勤しました。午前中はなんとか過ごしましたが、少し早めに帰ろうかと思い始めたとき、掃除の時間になり、当番の生徒たちが校長室に入ってきました。元気な2人組で一生懸命掃除をしてくれています。そんな姿を見ているうちに、私もその元気を分けてもらった気分になり、なんとなく体が軽くなってきた感じがしました。そして、ゴミを集めに来た3年生男子生徒が、校長室に入ってくるなり、「校長先生、風邪、治りましたか。」と声をかけてくれました。私が「まだ、治っていないんだ。」と答えたところ、彼から、「ぼくに風邪をうつしていいですよ。」という驚きの答えが!それを聞いていた1人の生徒が、「校長先生、風邪を誰かにうつすと治るんですよ。彼、体丈夫だから大丈夫ですよ。」と。なんともありがたいお言葉。うれしく思いましたが、もちろん3年生の大事な時期ですので、お気持ちだけいただきました。掃除が終わり、生徒たちが教室に戻ったあと、このやりとりを思い出して、癒やされた気分になっていました。
 そして、なんと、その温かい言葉のおかげか、翌日から少しずつ咳が止まり、木曜日には咳があまり出なくなりました。彼に風邪をうつしてしまったかと心配しましたが、元気そうだったので安心しました。
 今回、「病は気から」ではないですが、生徒の温かい言葉に元気をもらい、風邪が治ったと感謝するとともに、私自身が生徒や周囲の人たちにこんな言葉かけをしていただろうかと反省し、もっとよく見て言葉をかけていこうと思った次第です。